音楽留学の必要性とは

一昔前に比べれば、海外に渡航することは非常に簡単になりましたが、同時にインターネットの普及による知識の拡散や、日本国内の技術革新などによって、わざわざ留学する必要がない専門分野というのも現れ始めました。
たとえばクラシック音楽を学ぶ学生は、今でもヨーロッパやアメリカへの留学生のかなりの割合を占めていますが、その中でフルートなどに関しては、演奏技術だけを問題にするならば、世界で最高のレヴェルの教育を行っているのは実は日本なのです。

日本でフルートを学ぶ音大生は、居ながらにして世界最高の教育を受けられるわけで、わざわざ海外に留学する必要がない、という状況に近年なりつつあります。日本をはじめとするアジア諸国の音楽教育のレヴェルが向上しているのと同時に、ヨーロッパで音楽を志す若者の数が減り、必然的に教育の質が低下していることも影響しているといわれています。

では、なぜ留学して音楽を学ぶ必要があるのか。



それは、音楽には「知識」や「技術」だけではないものが必要であるからという見識によるものです。



クラシック音楽は、私たち21世紀の日本人から見れば、時間的にも距離的にも遠く離れた人々が行っていた音楽活動です。19世紀にタイムワープすることはできませんが、ヨーロッパに行くことなら可能です。

クラシック音楽が生まれた土地の気候・風土や、そこで暮らす人々の気質を身をもって体験すれば、クラシック音楽というものがどのような背景の上に誕生したのか、より深く理解することができるかもしれません。

そういった知識や体験は、文献やインターネットで得られるものではないのです。

もちろん単にヨーロッパに行けばわかるということでもありませんし、それがクラシック音楽の神髄に関係しているのかどうかについても、意見の分かれるところかもしれませんが、以上のような理由で音楽留学は非常に今でも人気があり、音楽留学生の数はいっこうに減る気配がありません。